会員募集

本会は，３年目を迎えました。新会員も少しずつ増え，『発達性ディスレクシア(以下 DD と略します)』への関心と理解が徐々に進んできています。

本会では精度の高いアセスメントを目指し，

・独自の『STRAW－R』（標準読み書きスクリーニング検査) 講習会

・個別の検査結果の読み取りや， 「AVLT」や「レイの複雑図形」の実施方法等

個別支援についての相談会や実践交流会を開催し，内容も充実しつつあります。DD は学習障害の中核と言われており，多くは『音韻障害』と『流暢性』の障害だと考えられています。にもかかわらず，教育や支援の現場では今なお

文章が読めない→「音読練習」

字が書けない，漢字が覚えられない→「漢字練習」

これを何度も繰り返すエビデンスの無い支援が散見されます。これは効果が見られないばかりか苦手意識や失敗感を蓄積させ就学初期から学習性無力感を引き起こす結果にもつながります。

例えば，DD 児の「勝手読み」という表現は，この表現自体が，子どもたちの「何とか文章を読みたい，読まなければ・・・。」という思いがくみ取れていない大人目線の心無い表現だと，私達は感じます。この「勝手読み」表現の視点は，失敗を指摘して何度も読み直しをさせる「指導」につながりやすく，子どもたちを救うどころか「読みたい」という意欲の芽を摘んでしまいかねません。私たちはこの場合，「読みのメカニズム（認知構造)」に重きを置いて，文章を読むという出力に着目するより，50 音を基礎とする入力から支援するべきだと考えています。

「京都発達性ディスレクシア学習会（KDSG)」は，研修会で学び，実践をしたいと思っている，又は実践をしつつもこれでよいのだろうかと悩む方々と一緒に不安や疑問を共有し解決していく会を目指しています。DD を抱える₍長期聴覚記憶に問題のない)人たちには，就学早期から「聴覚法（バイパス法)」を使っての指導が有効です。

我々「京都発達性ディスレクシア学習会₍KDSG)」は
「今や，発達性ディスレクシア₍DD)を知らずして学習障害支援の実践はあり得ない」
を，スローガンに今日まで歩んできました。

私たちと一緒に「発達性ディスレクシア」を学び合う仲間となって下さる方をお待ちしています。

2024 年 京都発達性ディスレクシア学習会
会長　　　山川　秀一
　会員一同

大六 一志 先生

日本臨床発達心理士会茨城支部支部長

博士（心理学）。公認心理師。臨床心理士。臨床発達心理士。特別支援教育スーパーバイザー。WISC-IV、WISC-V、WAIS-III、WAIS-IV、WPPSI-III では日本版刊行委員を務める。各地で健診委員、巡回相談員、特別支援教育アドバイザー、顧問等。著書・論文多数。

KDSGでは2021年3月にWISC4と読み書き障害やSTRAW-Rとの関連性を詳しくご講義いただきました。今回は、WISC5でPSIをVCIとFRIに分けたことによってこれまで視覚優位・言語優位とされた評価はどのように変わるか、また、今後発表される追加検査や支援の手立てについてもお話しいただきました。怒涛の資料にびっくりしましたが、丁寧に優しく話してくださってよくわかったと好評でした。

※参加者からの声を抜粋します。

●この1日だけでは足りないくらいの貴重な研修でした。もっともっと知りたかったです！また研修内容何度も見返したり資料を読み返したりします！

●先生の講義を聞いて、WISC-Ⅴで検査をしてみたいと思いました。今までは「難しい」という印象が強かったのですが、やってみないと分からない。実施できるように、もっと勉強したいなと思うようになりました。たくさんのことを教えていただいたので、まだ全部を理解することはできていませんが、少しずつ復習しながら自分のものにしていきたいです！ありがとうございました。

●とてもよく分かりました。保護者への返し方や、児童への支援のポイントもよく分かりました。これからも、勉強を、続けたいと思います。

●大変明解に重要なポイントを教えていただきありがとうございました。心理職ではないのでWISCを取ったことはないのですが、今後、WISCⅤの結果を見せてもらうときに、どこをどう見てあげればよいかがよくわかりました。ありがとうございました。

●とてもよかったです！読み書き障害と関連したところを丁寧に教えていただいて感謝いたします。

●膨大な資料と、わかりやすいご説明に感動しました。読み書き課題がある児童がしんどそうになぞり書きや繰り返し書く姿をまだまだ目にすることも多いのですが、一人一人にあった具体的な支援、手立てまでご紹介くださり、今までやってきたことは、これでいいのだと背中を推してもらったように思いました。読み書き障害がある児童に、唱える、パーツを意識する、書きから読みへの学習方策を変えたところ、その日から自分から進んで取り組み、自ら覚えたての漢字をホワイトボードに書いて見せてくれました。知識と学びをありがとうございます。

●WISC-Vの検査が、1つ1つどんな知能を測っているか大変分かりやすくて、もっと聞きたかったです。私は、通級担当なので検査も取りますが、取った結果を分析し、報告書にまとめる時に何をどう伝えたら良いか悩むこともあります。しかし、今回の話を聞いて、悩みがどんどん解消していきました！色々な視点やパターンでみることが大切なこともよく分かりました。

●大六先生のWISC-Ⅴのご講義を受けるのは2回目ですが、今回は後半の読み書きの部分を丁寧にご説明いただけて有難かったです。2回聞いてもなおまだわかっていないこともありますが、実施もしながらまた学んでいきたいと思います。ありがとうございました。

●読み書きの困難と記憶の部分の原因になる根っこは同じだということがわかった。検査結果から考えられる手立てや支援も教えていただき、よかったです。

●我々が実践する上で必要な知識と理念について平易な言葉で教示下さりありがとうございました。どのお話も聞き漏らさないように緊張感を持ってうかがいました。印象的だったのは分析の際にASDやDCDだけでなく環境因子についてもdataが語ってくれると言われたところでした｡学習の不信は環境因が脳に及ぼす影響が考えられるとは言われていてもなかなか周知されない現状ですが､このような視点を教示下さり､納得と感謝です。ありがとうございました。

●WISCVを聞く機会がなく、今回がはじめてでした。いろいろな場面で話されていたことがどんどん納得ができました。後半は宇野先生の話とあわせて理解が深まったように思います。

●大六先生の貴重なご講義を受けることができて大変勉強になりました。主要指標と補助指標が出せることで、子どもの見立てをより深くできるようになったことが分かりました。熟達に得意や苦手が現れる場合の本当のIQはGAIをみることが分かりました。また、読み書きのアセスメントとしてはSTRAW-Rなどのテストバッテリーを組むことが必要であると学びました。これまでこの研究会で学んできたことが繋がったようで嬉しかったです。さらに勉強していきたいと思います。ありがとうございました。

●WISC-Ⅴ の補助資料の考え方が、あらためてよくわかりました。また分析や解釈は、その子の理解を深める、その子自身が工夫できる支援を見つける等がお話のあちこちで感じることができました。

●WISC-Ⅴをもとに、どのように原因を探り、対策を考えるかということが、とてもよくわかり、勉強になりました。大六先生のお話は、何度聞いても新たな学びがあり、参考になります。レジュメを再度読み返して復習しようと思います。ありがとうございました。

●大六先生の講義はいつも大変わかりやすいです。主訴に応じた検査を行い、子どもたちの困り感が軽減できるような検査、アセスメントができるようにしていきたいと思いました。

●詳しくお話しいただいてありがとうございました。検査結果の解釈では、いろいろなパターンをを示していただき、それぞれのパターンについてとても分かりやすくお話しいただき、とても勉強になりました。合成得点をよく見て検査結果を生かした支援をすることができるようにしていきたいと思いました。読み書きの困難がある場合には症状をよく観察し検査の必要性を見極めたり適切な支援をしたりできるようにもっと見識を深めなければならないと感じました。

●パターンを読み取る大切さを感じました。ご説明してくださったことを、もう一度資料をよく読みながら、おさらいします

●WISC-Ⅴについて、自分の理解できていない部分も詳しくお話していただき理解が深まったと思います。また、詳しい資料もいただけたので、講義だけで理解できなかった部分も読み返し確認ができ、ありがたかったです。

●とても興味深い内容の連続で、長い時間にも関わらず全く飽きずに拝聴することができました。自分の勉強不足を痛感しましたが、今後の学びへの励みとなる一日になりました。お忙しい中貴重なお話をいただきありがとうございました。

●大変わかりやすく話してくださり、また読み書きとの関連について詳しくお話いただいて大変勉強になりました。ありがとうございました。またお話が聞けることを楽しみにしております。

●毎回聞かせていただく度に奥が深く、分析の見方についても研修を重ねる必要性を感じました。Ⅳから変わっている解釈の仕方も、たくさんいただいた資料を再度読み込みたいと思います。原因分析をし、アセスメントをしっかりした上で、支援法を考えることが必要だと改めて感じました。事例を多く示していただきわかりやすく、パターンについてももっと勉強しようと思いました。スライド128の風邪の症状での考え方もわかりやすかったです。ありがとうございました。

2024秋の講演会

長岡京バンビオ（ハイブリッド開催）

講師　若宮英司氏（医師・JDRA理事）
演題：発達性ディスレクシアの医療と支援 

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